13.2.15
アンチ大衆化
ファッションの行く場所
昨今のトレンドは、ライフスタイルの延長戦上にあるファッションという思考が前にも増して幅を利かせているように見受けられる。もちろんそれが駄目という事ではない。ただ疑問を感じる点は、ファッションが必要以上にライフ化する事や、ファッションを専門でやってきたお店が専門外のジャンルを扱う事で、ライフシーンへの新たなアプローチは可能だと思われるが、それによりクリエーティブな発信が弱くなるのではないかと懸念される。デザイナーが作り出す世界は、本来ならオリジナリティーに溢れ、独自のプレゼンスを放ち、けして大衆化してはいけない。大衆化する事でクリテーティビティーは退化していくのではないかと危惧を抱く。
リフトでは”アンチ大衆化”をモットーに、前衛的でイノベーティブなデザイナーが作り出す世界を店を通じてサポートします。ものによっては商品完成までに多大な時間が必要なものもあります。もちろん時間が掛かることが良いことではありませんが、素晴らしい作品(デベロップメント)は、とても精密で複雑かつ、初めての製法により制作されるケースが大半です。そういった常識外のところから生み出されるものに”光をあてる”発想を輝かせるという作業は結果的に”アンチ大衆化”という事になる訳です。
燃えるロッキングチェアーは、そういった意思のあらわれ、象徴です。